タチウオを初めてからドラゴンを釣るまで【船酔いのハンデを背負ってドラゴンとの戦いに勝利!】

ソルト 伝説回 爆釣

指7本のタチウオ(ドラゴン)を釣りました。ちなみに、指8本以上のタチウオは神龍(シェンロン)と呼ばれます

釣り人には愚問かもしれませんが、

生きているタチウオ、生で見たことありますか?

市場とかで売っているタチウオは体表がけっこう白くくすんでいますよね。

でも、釣り上げた瞬間のタチウオは一片の曇りもないほどギンギラギンなんですよ。

おまけに背びれがヒラヒラと波打って、それが光を受けてピンク~紫に輝くもんですから、美しいったらないです。

そんなタチウオのサイズは、幅を指の本数で表すのが通例です。

だいたい指5本以上の太さのタチウオを「ドラゴン」と呼ぶことが多いです。

ちなみに指8本以上でシェンロン(神龍)。

鳥山先生はかくも偉大なり。

地域による差はありますけどね。

そして、指7本のドラゴンを、2014年11月2日に釣りました。

もう6年以上前ですね。今回はそこまでのタチウオの思い出です

(今もタチウオジギングはやっているので、また記事にしたいと思います)。

タチウオを始めて釣ったのは大学2年の夏休み。

帰省した時、友人の親戚が船を出してくれて、イワシを餌にしたテンヤで4本ほど釣りました。

もちろん僕が竿頭 (笑)。遅まきながら船釣り自体初めてだったんですが、着底からの等速巻きが効きましたね。

ルアーでのタチウオ釣りは、広島の堤防で始めました。

最初に釣ったのは、11月くらいの安芸津港でした。最初はメバルを釣っていましたが、夕方に堤防の先端へ。

対岸に沖堤防があって、その先端との間が港内への入り口になっており、そこを日中沖にいたタチウオが夕マズメにベイトを追って通るだろうとにらみました。

とりあえずダイワのサーベルハンター (ナイトチャートバック) を投げると、すぐに入れ食い状態。

ドハマり不可避!

その後すぐにワインドも始めました。瀬戸内はチャートやオレンジがよく釣れました。

まあでも、いいことばかりではなくて、ある夜は激シブでした。

向かい風で雨が降っていて、顔の部分からレインスーツの中に雨が入り込んでずぶ濡れ。

そこで車のヒーターで服を乾かしてまた投げ倒す、というアホループを繰り返しました。

マジで頭おかしかったと思います。

そして夜明けにやっと2本釣れ、夜中の苦労はなんだったのか……。

広島最後の夏には青物を狙って単身淡路島に渡ったんですが、遊んでくれたのはタチウオとアオリイカでした。

大阪湾の港では、水面からタチウオがルアーを捕食しようとしているのが見える場所がありました(その場所をパラダイスと名付けました)。

指2本くらいの小さいやつが、ただ巻きのエコギア・グラスミノーL (パールグロウ) に必死に食いかかってくるのが常夜灯で丸見えでした。が、

スカッ

スカッ

スカッ

いや、食うの下手か!

スレスレでわざとかというくらいに外しまくり。彼らの生存率が心配になると同時に、釣り逃しているタチウオはけっこう多いのかも、と思いました。

本題のドラゴン。

釣具屋のバイト仲間からの誘いで行ったわけですが、当時僕はジギングタックルはまだ持っていませんでした。なので当時のタックルは、

ロッド:借り物で詳細不明。
リール:シマノ カルカッタコンクエストDC 200 (これだけ自前。もちろんバス用)
メタルジグ:シマノ スティンガーバタフライ (借り物で詳細は覚えてなくてもう廃盤ですが、カラーはシルバーでした)
PEライン:不明
リーダー:不明
メタルライン:ダイワ 太刀魚メタル 3号 (たしかこれだったと思います)

と、リール以外ほぼ不明!すみません!

ポイントは淡路島の近くにある沼島沖。大阪港から出て3時間くらいでしたでしょうか。

期待に胸を膨らませていざ実釣!



……とはならず、ポイント到着時には思いっきり船酔いしてました……。嗚呼。

立っているのがやっとで漫然とジグを落とし、スロージギングのようなリフト&フォール (東京湾ではワンピッチショートジャークが定番) をしていると、1本目ゴン!
バス用リールなのでハンドルが短く巻くのがきつかったですが、指4本のまずまずのサイズ。

そのあとです。

ヤツが来たのは。

底と中層の間くらい (?) まで巻いたところで、

グ、グィイイーーーーー!

と、なにやら強烈な引きがきました。

が、船酔いがひどくてそれが大物だと思い至らず、

「かかったけど、リールがなかなか巻けん……」

しか思いませんでした (マヌケ)。

巻いても糸を出され、また巻いて。

今ならもう少しはマシにできたでしょうが、当時は負かされっぱなしでした。

そして、船酔いしてたので騒ぐこともできずに周りに気付かれず。
一人苦悶の表情を浮かべながら無言で格闘してました。

表層近くまで巻き上げたところで周囲がこちらの異変に気付き、満を持して海面からお披露目タイム!

「デカい!」

誰かが叫び、それを聞いて僕は、
「あ、大物だったんだ。どおりでしんどいわけだ」
と、今更な感想。ビギナーズラックここに極まれり。

ネットインしてもらい、ようやく現実を認識することができました。

ドラゴンタチウオ

口にメタルラインがからみついており、普通のリーダーだったら切られているところでした。

ちなみに後で聞いた話では、その日は本職の釣り師も同船していたようで、これに勝たねば!と船上は闘志に満ちていたそうです。

が、私はこのドラゴンが釣れた直後に船酔いが頂点に達して、船内に退場orz
元気だったらこの上なく楽しい状況だったことでしょう。

その後、このまま帰るのはもったいないと、なんとか起きてアベレージサイズ2本追加して終了しました。

そして、このときの釣行で学んだ最も大事なこと。それは、

船で酔い止め薬は必携!

ええ、当たり前すぎますね。

あや兄
5歳で釣りにハマる。釣り歴29年。サラリーマン、工学博士、元釣具屋店員という異色の経歴。岡山、広島、大阪、名古屋と津々浦々流れ、最後はまさかの海なし県・埼玉に漂着。専門は魚ではなく微生物。激シブに負けないメンタルの持ちぬし。